『自分では自覚していなかったのですが、更年期のせいなのか、最近家族や職場の同僚に「イライラ、カリカリせずにもう少しリラックスしたら?」と言われることが多いのです。でも実は、どういうのが「リラックスしている状態」なのか、よく分かりません。いいリラックス法はありますか?』
このような悩みは更年期女性には多いですね。
更年期のイライラを抑える
野生動物が敵前でしてはいけない三つの行動とは?
答えは「眠る」「食べる」「トイレ」です。「敵」という強いストレスの下では、常に五感を緊張させ、筋肉にギュッと力を入れて、いつでも戦ったり逃げたりできる体勢を作っておく必要があるのです。
人も強いストレスを受けると、知らぬ間に筋肉に力が入つてしまぅも の。更年期世代は、家庭や社会などから強いストレスを受けやすいので、自覚はなくても心身が緊張してイライラしてしまう人が多いです。
ですから、緊張を緩めてイライラを抑える方法を体得しておくのがおすすめです。
筋肉に力が入っているとき、自律神経では交感神経がフルに働いています。この状態では、眠りが浅くなったり、便秘、下痢などの症状が出やすくなります。緊張を解くにはスイッチを副交感神経優位に切り替えること。
自律神経の働きは心臓の鼓動や発汗など、ほとんど自分の意思でコントロールできませんが、ニつだけ例外があります。
一つは呼吸。もう一つは筋肉。呼吸と、筋肉を緊張させたり弛緩させたりする動きを上手に使うと体の緊張が解け、結果として心の緊張も緩んで、不安やイライラが減少します。
更年期のイライラを緩和する簡単テクニック
更年期女性を中心としたグループセラピーで行なわれている方法を紹介しましょう。筋肉にグッと力を入れた後、スト—ンと一気に力を抜く方法です。今回は簡略して6つの部位で行います。
いすに座ったままできて、全部やっても10分ほどです。「力を入れる」「抜く」を繰り返すと、交感神経を緩めて、副交感神経を刺激(リラックス)してイライラを鎮める効果があります。
腕
息を吸いながら、いすに座った状態で拳を握り、力こぶを作るように腕を直角に曲げ、ギュッと力を入れる。息を止めて7秒キープしたら腕の力を一気に抜いてだらんと落とす。これを3回 ほど繰り返す。
肩
両肩をグーッと上げて首につけるように力を入れ、息を止めて7 秒キープ。息を吐きながら一気に脱力。これを3回ほど繰り返す。
背中
左右の肩甲骨を背骨に寄せるようにグッと力を入れ、息を止めて7秒キープする。(以下同上)
お腹
へそ周囲にグッと力を人れて7秒キープ。(以下同上)
お尻
肛門をギュッと閉めるようにお尻の筋肉に力を入れて7秒キープ。(以下同上)
つま先
両脚のひざからつま先までを片脚ずつ、ピンと伸ばし、力を入れて7秒キープ。(以下同上)
体が緩んでイライラが治まり、リラックスする気持ち良さが体感できます。
更年期は何かとイライラが多い時期です。入浴時に手足をマッサージしながら「お疲れさま」と自分をいたわってあげるのも効果的。ぜひお試しを。