男性の更年期障害とは?診断基準とその症状

男性の更年期障害の症状

「何にもする気が起こらず、疲れが全然取れなくて、ただただ鬱々としている」自営業の男性だと、仕事をしたくないならしなくても済むだろうが、世の多くの男性たちはサラリーマンで、体調が悪くても、なかなか仕事を休むことができません。

あなたが50歳前後の男性で、このような症状があったら、「男性の更年期障害」を疑ったほうがいいかもしれません。

男性の更年期障害の症状

男性の更年期障害といわれる症状は以下の通りです。

血管運動神経症状

めまい

動悸、息切れ

精神神経症状

不安、抑鬱

自信喪失

記憶力・集中力の低下

不眠

いらいら

全身症状

疲労感

泌尿生殖器症状

性欲減退

ED(勃起不全)

頻尿

排尿困難

診断基準

男性更年期の診断基準

男性の更年期障害の基準となる表をご紹介します。

各項目の点数を合計して「18点」以上なら男性更年期障害の疑いがあります。

自己の評価

なし

ややある

普通

やや激しい

激しい

倦怠感、疲労感、またはエネルギーの喪失

0点

1点

2点

3点

4点

抑うつ、元気がない、または否定的気分

0

1

2

3

4

興奮、怒り、不機嫌

0

1

2

3

4

不安、イライラ

0

1

2

3

4

記憶カまたは集中力の低下

0

1

2

3

4

パ一トナ一との関係の悪化

0

1

2

3

4

性衝動の減少

0

1

2

3

4

勃起あるいは性的能力の低下

0

1

2

3

4

顔や皮膚の乾燥

0

1

2

3

4

日中あるいは夜間の発汗

0

1

2

3

4

腰、関節の痛み、あるいは凝り

0

1

2

3

4

過去、または現在の過剰飲酒

0

1

2

3

4

運動能力の喪失

0

1

2

3

4

ストレス過剰の自覚

0

1

2

3

4

自分が感じる年(体感年齢)

30代

0

40代

1

50代

2

60代

3

70代

4

総合点18点以上で更年期障害の疑いがあります

男性の更年期障害に潜む病気

男の更年期に潜む病気

以上に紹介してきた症状が、初めのうちは日によって現れたり現れなかったり、起こる時間もまちまちだったりします。

女性と同じく、男性でも50歳前後には生活習慣病(高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、高尿酸血症)が起こりやすくなり、特に脾臓癌、大腸癌といった消化器系の癌を始め、肺癌、前立腺癌などいろいろな癌が発症しやすくなってきます。

「何だかわからないけど、体調が悪い」と感じるときに、重大な病気が潜んでいるかもしれないのです。

「おかしいな?」と思ったら、迷わずもよりのドクターに相談して、健康診断を受けましょう。そして、「どこも悪くない」とのお墨付きをもらった上で、次の可能性、つまり「男性更年期」かもしれないな、と認識すべきでしょう。

更年期男性は何科を受診するべき?

更年期男性は何科を受診

男性の更年期障害では、鬱、不安感といった精神神経症状と、性欲減退、ED(勃起不全)などの泌尿生殖器症状が前面に出やすいものです。

心療内科か神経精神科に行くのはこんなとき

もし、「鬱々として、仕事に行きたくない」「何もやる気が起こらない」「イライラがひどくて、妻や子供たちにあたってしまう」というような症状で悩んでいるのなら、心療内科か神経精神科がお薦めです。

内科のドクターだと、検診結果を見てどこにも異常がない場合、「気のせいですよ」とか、「疲れがたまっているのでしょう。ゆっくり休養を取れば治ります」と言って、あまり相手にしてくれないことが多いです。

担当した医者が、若く経験が少なかったらなおさらです。彼らにとっては、病気ではなさそうな、くたびれた中年男性の訴えをゆっくり聞くより、高血圧や胃潰瘍の患者さんを診るほうが、ずっと医者らしい仕事をしていると思っているのでしょう。

心療内科や神経精神科の専門医は、心理テストをして、あなたがいわゆる「更年期障害」なのか、鬱病、不安神経症といった神経科の病気なのかを見極めてくれるはずです。

泌尿器科に行くのはこんなとき

もし、妻(あるいはパートナー)の求めに応じられなくなったり、全く性的な欲求が起こらなくなったり、尿の出が悪くなったのなら、迷わずに泌尿器科を受診しましょう。

妊娠・出産時に、産婦人科を受診しているので、婦人科検診をためらう女性は少ないですが、男性は泌尿器科にかかるのを、ものすごく躊躇してしまうようです。

前立腺肥大の持病があって、定期的に泌尿器科を受診しなくてはならない男性が、以前ため息をつきながら言ったことがあります。

「いつも診てもらっているドクターならいいんだけど、ときどき若いのにあたることがあるんだ。自分よりずっと若くて、自信たっぷりのヤツに診てもらうのって、すごく嫌なものだよ。劣等感の塊みたいになっちゃってさ。」

男性は女性より、はるかにナイーブで、傷つきやすい心を持っているのです。

「性的な悩みを、ドクターはいえ他人に話すなんて、絶対に嫌だ」と拒絶する前に、勇気を出して、相談してみてほしいものです。

若いドクターが嫌だったら、前もって問い合わせてみる、かかりつけのホーム・ドクターに紹介を頼むなど、まずは行動を起こすことが大事です。

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