高血圧と診断され、将来の病気が心配だというTさんは46歳の更年期女性の体験談です。
去年までは低血圧だったのに会社で事務職をしているTさんは、何事にも慎重で生真面目な性格です。
ていねいな仕事ぶりで職場での信頼も厚く、家庭での家事・育児にも熱心です。
去年まで低血圧だった
Tさんは、毎年おこなわれる職場の定期健診はきちんと受け、2年にー度は自費で婦人科検診も受けています。
今年の健診で医師から「高血圧ですね」という診断が。
これまで貧血気味で低血圧だったくらいで、とくに病気を指摘されたことはなかったTさんは「なぜ急に高血圧に!?」と驚きました。
その日以来、「高血圧がひどくなって病気になったらどうしようと心配でたまりません。
ほかにも更年期特有の心配ごとが
Tさんには他にも心配ごとがありました。
それは、中学3年生になる息子の進路のことです。息子は楽天的な性格で、毎日が楽しければいいというタイプ。もう少し努力すればーう上のランクの高校に行けるのに、まったく欲がないのです。それがTさんにはもどかしくて、やきもきしてしまいます。
最近は、息子の態度に力チンとくることが多く、つい声を荒らげてしまうことも……。息子も反発して、最近では会話も減りました。
「ああ、いろんなことがうまくいかない」と落ちこみがちな毎日を過ごしています。
会社の健診で高血圧と診断されたTさんは、家庭の問題やこれから大きな病気になるのではという心配で真剣に悩んでいます。
更年期の高血圧
高血圧は女性ホルモンやストレスとの関係が深いといわれます。
女性ホルモンには血管を拡げたり、血中のコレステロールを抑えたリする働きがあるのですが、分泌量が低下してきたために、コレステロールも高く血管も硬くなりかけているのでしょう。
また、ストレスで交感神経が高ぶるのも血圧上昇につながります。
更年期は自律神経が乱れやすく、血圧が上がったり下がったり変動しやすい時期です。
更年期の前からジワジワ高くなる人と、急にグンと高くなる人がいます。Tさんの場合は後者のようです。
高血圧で気を付けるべき病気
高血圧は心臓病や脳卒中の引き金になりやすい病気です。
血管に高い圧がかかると、それに負けまいと血管の壁が厚くなります。さらに血管にヒビや傷ができ、そこに血液の成分が入ったりコレステロールが付着したりすると、動脈硬化を起こします。
動脈硬化は全身で起こり、血液の流れを悪くします。心臓の冠動脈で起こると狭心症や心筋梗塞、脳の血管で起こると脳出血や脳梗塞を引き起こします。
放っておくと本格的な高血圧症になってしまうかもしれません。いずれにしても早めの生活改善が必要でしょう。
ホルモンバランスに気を付けて
高血圧は塩分や脂ものを控えたり、運動をしたりしていれば改善できます。
また、今はいい薬もあるので、早めに対処すればいたずらに不安がる必要はありません。
ところで、Tさんはお子さんの進路でも悩んでいます。
ホルモンバランスがくずれると、いろんなことが心配になったり不安になったりして、心が不安定になります。
イライラが抑えられずにヒステリーを起こすこともめずらしくありません。
もしかしたら、Tさんがお子さんにガミガミ言ってしまうのも、ホルモンの影響があるかもしれません。
更年期になるとホルモンのバランスが崩れがちですので、そのことも高血圧につながります。