更年期女性の不定愁訴とは何か?不定愁訴の症状一覧

更年期女性の不定愁訴

不定愁訴とは何でしょうか。

婦人科医は不定愁訴を「患者の訴えが自覚症状だけで、他覚的変化が全くなかったり、たとえ他覚的所見があっても、それと愁訴との間に因果関係を証明し得ないような場合をいう」と定義しています。

このページでは更年期女性の不定愁訴について解説します、

更年期女性の不定愁訴の原因とは

不定愁訴の原因
平たく言えば、不定愁訴の一番多い訴えは「疲れやすい」ですが、この症状を引き起こす一因として、肝臓疾患、腎臓疾患、甲状腺などの内分泌疾患、貧血状態が考えられ、それぞれの検査をしてもどこにも異常が見つからないとき、この患者さんの訴えは不定愁訴と見なされるわけです。

現在の医学界では「更年期障害」という病名は俗称で、正式名称は「更年期不定愁訴症候群」となっています。

更年期の不定愁訴の多くは、自律神経失調によるもの

更年期症状の不定愁訴の多くは、自律神経失調によるものだと考えられています。

それでは自律神経失調とは何でしょうか?

自律神経は、交感神経と副交感神経の二つの神経系からなり、身体のすみずみにまで張り巡らされた生命維持のためのネットワークです。

つまり、呼吸したり、心臓が規則正しく動いたり、体温が37度以下に保たれたり、排泄がスムーズに行われているのは、これら2つの神経系がうまく調節し合っているからなのです。

更年期になり、卵巣機能が衰えると、エストロゲンなどの女性ホルモンが減少し、下垂体はやっきとなって卵胞刺激ホルモンを分泌し続けるのですが、やせ馬にいくら鞭を打っても走り出せないように、卵巣はもはや働けなくなっていて、高いままの卵胞刺激ホルモンは、やがて視床下部のバランスを崩してしまい、自律神経系の異常をももたらすのだろうというのが通説です。

病気になると、多かれ少なかれ、ほとんどの人が自律神経の失調をきたすものですが、病気ではないのに、全身倦怠感、疲れやすさ、のぼせ、冷え、動悸、めまいなどさまざまな不都合に見舞われるのが、機能的自律神経失調症といわれる病態です。

広い意味での自律神経失調は、各年齢層に起こり、男性にも見られ、更年期女性だけに特有の症状ではありません。

更年期女性に現れる不定愁訴の症状と頻度

不定愁訴の症状

更年期女性に発症する不定愁訴の症状とそのパーセンテージは以下の表のとおりです。

症状

頻度(%)

症状

頻度(%)

熱感

45

腰痛

53

冷え症

48

肩こり

58

のぼせ

38

関節痛

16

心悸亢進

32

筋肉痛

20

頻脈

8

脊椎痛

11

徐脈

2

坐骨痛

7

頭痛

42

発汗亢進

28

頭重感

41

口内乾燥(ドライマウス)

9

めまい

40

唾液分泌増加

2

不眠

29

頻尿

12

耳鳴り

23

排尿痛

2

閃光視

18

吐き気

15

圧迫感

12

嘔吐

2

恐怖感

11

食欲不振

19

記憶力不良(物忘れ)

26

便秘

21

判断力不良

20

下痢

3

しびれ感

48

疲労感

65

知覚過敏

7

腹痛

42

知覚鈍麻

10

蟻走感

9

不定愁訴を訴えた女性の内訳で多かったのは、疲労感、ほてり・のぼせ、冷え症、頭痛、腰痛、肩凝り、しびれ感などでした。

日本婦人会議が行ったアンケート集計によれば、強く感じる更年期症状として、疲労感、肩凝り、急な熱感(ほてり)、記憶力減退、頭痛と続き、症状の発現頻度がやや異なっています。

これは、症状が強く医療機関を訪れた患者さんたちと、一般の女性たちとでは、感じ方が違うからでしょう。疲れや肩凝りがひどくても、医者にかかるほどではない、我慢しようと思う人が多いのではないでしょうか。

不定愁訴の分類

不定愁訴の分類

不定愁訴についての研究は、1950年代から内科と婦人科のドクターたちによって始められました。定義が少しずつ違うので紛らわしいですが、次に紹介します。

内科領域の不定愁訴

身体がだるい、疲れやすい、足が重い、頭が重い、動惊がする、息が切れる、胃がもたれるなど、漠然とした愁訴で、しかもそれに見合うだけの器質的疾患の裏づけがない場合、これらの愁訴を不定愁訴と呼ぶ。

婦人科領域の不定愁訴

患者の訴えが自覚症状だけで、他覚的変化が全くなかったり、たとえ他覚的所見があっても、それと愁訴との間に因果関係を証明し得ないような立場を、不定愁訴という。

心身医学領域の不定愁訴

  1. 主観的訴えである
  2. 愁訴が多彩である
  3. 他覚的所見に比し不相応に自覚症状が強い
  4. 愁訴の質的変化や数的変化が見られやすい(症候移動)。

不定愁訴の分類にもいくつかあり、まず身体疾患の前駆段階としての不定愁訴があり、悪性腫瘍、免疫疾患、膠原病などの初期に認められやすいといいます。

次に、内科・婦人科領域でよく見られる自律神経失調症が挙げられ、一部は器官神経症と重なる場合もあります。

さらに、不安神経症や心気症、仮面鬱病の一部分症としての不定愁訴があり、精神分裂病の初期にも同様の訴えが見られるので、疑わしいときには、精神神経科への受診が勧められています。

更年期に見られる代表的な不定愁訴

代表的な不定愁訴

更年期の女性が訴える症状は非常に多いです。代表的な症状を挙げてみましょう。

血管運動神経症状

ほてり{顔面紅潮)・のぼせ

発汗

手足の冷え

精神神経症状

頭痛、頭重感

憂鬱、不安感

いらいら

めまい

無気力

不眠

神経質

記憶力減退

気分不安定

孤独感

興奮など

運動器官系症状

肩凝り

背部痛

腰痛

関節痛

知覚系症状

しびれ

知覚過敏、知覚鈍麻

視力低下

消化器系症状

便秘

腹痛

吐き気

腹部膨満感、食欲不振

泌尿生殖器系症状

排尿痛

頻尿

膣乾燥感

性交痛

不感症

冷感症

疲労感

胸部圧迫感

耳鳴り

立ちくらみ

更年期を迎えた女性に特有の症状

女性に特有の症状

こういったいわゆる不定愁訴と呼ばれる多彩な症状が、日によって、あるいは時間帯によって、出たり出なかったりするのが、更年期を迎えた女性に特有とされています。

さまざまな症状があっても、我慢してしまう人、あまり気にかけずに済んでしまう人も多いので、実際に「更年期障害」と診断されるのは、症状が強く、日常生活に支障をきたして、医僚機関を訪れた女性に限られていると言えるでしょう。

不定愁訴のなかには自律神経失調症以外の病気、例えば不安障害や仮面鬱病などの精神神経科領域のもので、同様の症状を認めることがあります。

単なる更年期の症状なのか、他の病気が隠れていないかを、きちんと調べてくれる医者にかかることが肝要です。

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