更年期に入って、顔がほてるようになり、首や顔から汗が噴出する。そんな症状にお困りではないですか?
顔が力ーッとほてって汗が出たり、のぼせたりするのが、いわゆる「ホットフラッシュ」です。
のぼせやほてりは更年期のほとんどの女性が体験する症状です。
このページではそのホットフラッシュ対策を解説していきます。
目次
ホットフラッシュの一番の治療は「気にしない」こと
ホットフラッシュをあまり気にせず、没頭できる趣味などで気分転換をしましょう。
扇子やタオル、制汗デオドラン卜剤などを常備すれば安心できます。春先の、まだ上着がいるような季節なのに暑くてしかたがない。上半身、とくに顔がかっかして赤くなっているのに、下半身や手足は冷えている。こうしたのぼせやほてりは、更年期世代の女性ならたくさんの人が経験する症状です。
こののぼせ、ほてりは精神状態と密接に関係しています。緊張するとのぼせることがあるのはこのためです。気にしないことが一番の治療法です。
スポーツや趣味など、何でもいいから夢中になれて気分転換ができるものを見つけてください。
また、不規則な生活やお洒の飲み過ぎはホットフラッシュの症状を重くすることがあります。規則正しい、健康的な生活を心がけましょう。
ホットフラッシュは緊張したりス卜レスも原因に
また、ホットフラッシュの症状のために周囲の目を気にし過ぎるのもストレスの一因です。
汗を大量にかく多汗も更年期の女性には多く見られます。たとえば、会社の忘年会に出席したら、1人だけものすごい汗をかいているので「気分でも悪いの?」と心配されてしまった。大事な取引先の人と商談中に急に汗が出て、気になって話に集中できなかった。
汗を大量にかいてパジャマはぐっしょり、シーツまで濡れてしまい、 気持ち悪くて眠れない。こんな症状も更年期によくあるものです。
多汗はそれ自体がストレスになるものです。そのストレスがもとになってますます汗が出る、 という悪循環におちいることもあります,たかが汗とはいえ、本人にとってはやつっかいなものですね。
思いきってまわりの人にカミングアウト(告白)する、というのもいい方法です。
「私ね、今、更年期なの。ホットフラッシュと言って急に汗かいたりするかもしれないけど気にしないでね」とあらかじめ宣言しておけば、汗が出たことであわててしまい、 その緊張からまた汗が出る、といった事態は避けられるでしょう。
外出するときは替えの下着やさわやかな香りの制汗デオドラント剤などを持ち歩くようにすれば、いざというときも大丈夫、という安心感が汗を抑えてくれます。きれいな扇子やお気に入りのタオルなどを集めてみるのもいいかもしれません。
メイクが崩れたときは化粧直しをする前に、 メイクの上から水でパシャパシャとパッティン
グすると、ほてりも鎮まってきれいに仕上がります。
しっかりと準備することで、不安や緊張からのストレスを避けるようにしましょう。
冷えは厳禁
ホットフラッシュの症状は、東洋医学では「冷えのぼせ」といい、血行が落ちて体が冷えていることが原因の一つだと考えられています。
冷えが原因ですから、この症状を改善するには、まず「体を冷やさない」ことが重要です。ホットフラッシュは冷えが原因になるのです。
また、東洋医学では、「夏の冷えは、冬の健康に響く」と考えます。 つまり、夏の間に冷たい飲み物やクーラーなどで体を過度に冷やすと、 冬場の体調悪化の原因になるということです。冷えがひどいと疲れやすくなったり、風邪を引きやすかったり、 頭痛や肩こりが悪化したり、肌が乾噪しやすくなることもありますから注意が必要です。
ホットフラッシュ対策①冷たい飲み物はできるだけ避ける
冷たい飲み物を飲むと、一時はホットフラッシュによる火照りが治まったように感じます。
しかし、冷たい飲み物は体を内側から冷やすので、結果として内臓を冷やし、全身の血行を悪化させる原因になってしまいます。
暑さが厳しい季節には、水分はしっかり補給したほうがいいのですが、冷蔵庫で冷やしてあったり、氷が入っているような冷たい飲み物は避けたいところです。できるだけ、体温より温かいものを飲むように心掛けましょう。
また、トマトやキュウリなど、体を冷やす性質を持つ夏野菜を、生のまま一度にたくさん食べるのも控えたほうがいいのです。
ホットフラッシュ対策②薄着を避ける
薄着も禁物です。体を温めて血行を良くするには、子宮や卵巣など女性にとって大切な臓器が集まっている腰の周辺、体の冷えを改善するツボ「三陰交(さんいんこう)」がある足首周辺を冷やさない服装を心がけてください。
女性は素足にサンダルをはいたり、冬場でも薄いストッキングにスカー卜で乗りきろうとしたり、暖房の効きが悪い水場で家事をする機会が多かったりするため、何かと下半身が冷えがちです。
とくに筋肉量の低下が進む更年期には、手足の冷えが深刻化しやすいのです。
ホットフラッシュ対策③「ほてり」を感じたら短時間だけ冷やす
手足にほてりや熱のこもりを感じたら、靴や靴下を脱いで熱を逃がしたり、手を水で洗うか風を当てるかして泠やしたりします。
ほてりをガマンするのはオススメしません。蒸れや多汗、イライラ、集中不足からくるミスやケガなどを招きかねないからです。
ただし、泠やすのは短時間だけに留めます。ほてりがおさまったら泠やすことはやめて、再び冷えないように保護します。
ホットフラッシュ対策には運動が効く
それでは、積極的に体を温めるにはどうしたらいいでしょう?まず「足湯」や「半身浴」などを思い浮かべる方も多いでしよう。温浴は確かに体が温まりますが、所詮はお湯から熱をもらっているだけ。冷え体質の根本的な改善にはつながりません。
ホットフラッシュ対策④運動
意外と効果が高いのはやはり運動です。
運動で筋肉がつくと、それがポンプの役割をして末梢血管の血行を良くしてくれます。年を取ると体力が衰えやすくなるのは筋肉量が落ちてくるからです。
男性にホットフラッシュや冷え症が少ないのも筋肉量が多いからだと考えられます。筋トレが続けられればベストですが、ウォーキングレべルの運動でも、 お腹や背中、ももなどの大きな筋肉が動くので、けっこうな効果が期待できます。
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ホットフラッシュ対策⑤手足の爪のマッサージ
運動以外にも、爪のマッサージも効果があります。
手や足の爪を左右からはさんでグリグリとマッサージします。
親指、人差し指、中指、小指の4本をそれぞれ10〜20秒ずつマッサージしていきます。
少し痛いくらいの力加減でおこないます。
薬指は交感神経を高ぶらせてしまうので、特別な場合以外はもまないようにします。
指先の血行がよくなれば手足全体、ひいては全身の血行がよくなって、冷えの解消につながります。
ホルモン補充療法(HRT)も
ホルモン補充療法でホットフラッシュは平均してーか月ほどでおさまるといいます。
どうしてもホットフラッシュの症状に我慢できないという場合は、ホルモン補充療法(HRT)を受けるという選択肢もあります。
のぼせ、ほてりはホルモン補充療法を受ければ一か月ぐらいでおさまるものですから、あまりに辛いという場合はがまんしないで治療したほうが気持ちは楽になるかもしれません。
ただ、この療法には副作用などもありますので、よく考えてから受けるようにしましょう。